『増補新版 ハタヨガの真髄ーー600の写真による実技事典ーー』B.K.S. アイアンガー著、沖正弘監訳、白揚社、2011年。
世界的なヨガ指導者であるB.K.S.アイアンガー氏による、全面的なヨガの解説書。世界中の言語に翻訳され、流派を問わずヨガの初心者から指導者まで、本格的に学べるヨガの事典、バイブルとなっている。増補新版は旧版より写真の位置が見やすく配列されている。
内容は、ヨガとは何か?に始まり、アサナ(ポーズ)、プラーナーヤーマ(呼吸法)についての詳細な解説と写真、巻末には300週のアサナプログラム例、症状・目的別アサナ一覧、用語解説、アサナ・プラーナーヤーマ索引を付した、網羅的で総括的な本。事典のように使うこともできる。
収録されたアサナはターダアサナ(=サマスティティ、山のポーズ)からシャヴァアサナ(=ムリタアサナ、屍のポーズ)まで200にも及びます。アイアンガー氏自身によるポーズの写真もいいし、氏による解説はポーズの方法や効果はもちろんのこと、名前の由来、ポーズにまつわる物語など多岐にわたっていて、読むだけでも楽しいものです。しかしながら本書の特徴は、アサナだけではなく、ヨガとはどういったものなのかという解説が充実しており、全面的にヨガを学べることです。原題は『Light on Yoga 』であり、日本版タイトルである『ハタヨガの真髄』にアイアンガー氏は不満だったそうです。ヨガはポーズだけではないとアイアンガー氏が考えていたことがわかります。ちなみにシャヴァアサナについてのアイアンガー氏の解説は「心を平静にしておくのは、肉体を平静にしておくよりずっとむずかしい。よって、一見やさしそうなこのポーズは、習得の最もむずかしいものである。」(同書p.429)というものです。
